運賃改定に伴う通勤手当業務の影響と定期券の対応を解説
鉄道事業者が運賃を改定すると、企業の通勤手当業務にも影響します。給与担当者は該当する従業員を洗い出し、通勤経路や金額を確認しなければなりません。
2023年3月から立て続けに行われた改定に頭を悩ませ、効率的な管理体制を模索している担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では、運賃改定の内容や、それに伴う通勤手当業務の対応について解説いたします。
1.運賃改定の内容
2023年3月18日に首都圏、同年4月1日に関西圏で、多くの鉄道事業者が立て続けに運賃の改定を実施しました。
首都圏においては、駅のバリアフリー化を進める目的で“バリアフリー料金”が導入され、普通運賃に一律で10円が上乗せされました。上乗せされた分の金額は、駅のホームドアなどの整備に使われます。
また、通勤時の鉄道定期券には、混雑緩和や働き方の多様化を後押しするために、オフピーク定期券が新設されました。オフピーク定期券は、平日朝のピーク時間帯以外に利用できる定期券で、改定前の料金から約10%が値下げされています。
2.運賃改定は通勤手当業務にどう影響する?
運賃の改定で苦労するのは、企業で通勤手当を管理している担当者です。従業員に支給する通勤手当の改定処理には、多くの手間と時間がかかります。
まずは、運賃改定が影響する従業員を洗い出し、申請された通勤経路や変更後の金額を調べて、確認しなければなりません。表計算ソフトで通勤手当を管理している場合は、入力や転記の手間も発生します。
消費税増税で改定される場合とは異なり、最近は鉄道会社ごとに運賃改定のタイミングがバラバラな点も問題です。路線ごとに変更処理が必要となるため、従業員が多い企業ほど、多くの負担を強いられます。
さらに、今後も運賃改定が繰り返し発生する懸念があり、改定が落ち着くまでのあいだ、作業負担が継続する可能性があります。
3.運賃改定による定期券の差額分はどうなる?
運賃の改定によって、鉄道定期券の差額分の扱いがどうなるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
基本的に定期券の金額は、購入日時点の金額が適用されます。つまり、運賃が改定される前であれば、有効期間に改定後の期間が含まれていたとしてもお得に定期券を購入できるのです。
仮に4月1日に運賃が改定される鉄道事業者の場合、3月31日までは現行料金で定期券の購入が可能で、4月1日以降の差額請求はありません。ただし、路線バスによっては、一部の定期券において、有効期間中に運賃改定された場合に、差額分の徴収があるケースもあります。
事業者は、従業員が通勤で利用する路線で運賃が改定されたら、正確な通勤手当額を算出するために欠かさずに把握しなければなりません。運賃が高くなった際に従業員側が変更の申請を忘れると、値上げした分の金額を従業員自身で負担することになってしまいます。
通勤手当の変更は速やかに申請してもらえるように周知することが大切です。
4.運賃改定における通勤手当の申請方法
運賃改定に伴って、通勤手当の金額に変更がある場合は、従業員が申請したのちに、担当者が確認を行います。確認の結果、経路と金額に誤りがなければ、通勤手当の承認・支給となります。
▼運賃改定における通勤手当の申請方法
- 従業員からの申請
- 申請内容の確認
- 承認
- 手当の支給
運賃改定の変更があった際は、従業員ごとに申請を行うのが一般的です。
なかには各従業員ではなく、管理部門がまとめて変更処理を行う企業もありますが、それによって作業が楽になるわけではありません。従業員側の手間は省けるものの、従業員一人ひとりの情報を確認する手間が発生するため、管理部門の負担は膨大です。
従業員と管理部門双方の手間を省くには、通勤費管理システムを使うのがおすすめです。
通勤費の管理業務をクラウドサービスで完結できれば、従業員ごとの申請・承認や、管理部門がまとめて行う変更処理などの業務が楽になります。システム化によって、従業員が本来のコア業務に専念でき、業務効率化を図れます。
まとめ
この記事では、運賃改定について以下を解説しました。
- 運賃改定の内容
- 運賃改定は通勤手当業務にどう影響する?
- 運賃改定による鉄道定期券の差額分はどうなる?
- 運賃改定における通勤手当の申請方法
運賃改定が起こると、企業の通勤手当業務に負担が生じて、担当者が行う改定処理には、多くの手間と時間がかかると予想されます。そのうえ、今後も運賃改定が発生する可能性があり、その都度作業負担が発生するおそれがあります。
運賃改定が起こった場合の手間を省くには、通勤費管理システムの利用がおすすめです。『駅すぱあと 通勤費Web』なら、通勤手当の申請・承認から、運賃改定に伴う差額の一括計算まで、通勤手当業務を大幅に自動化できます。
弊社のサービスにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
企業の人事/総務担当者向けに通勤費管理業務の効率化を可能にする『運賃改定時の対応ノウハウ』についての資料を公開しております。
以下よりダウンロードの上でご覧ください。