通勤手当の実費支給とは? メリットや計算方法も紹介



新型コロナウイルスの流行や働き方改革をきっかけに、通勤手当を定期券代の支給から実費支給に切り替える企業が増えています。自社でも同様の対応を迫られている方は、「そもそも実費支給って何?」「計算方法は?」などの疑問をお持ちではないでしょうか。

本記事では、通勤手当の実費運賃の概要や、定期券代の支給から切り替えるメリット、注意点、計算方法などを紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.通勤手当の実費支給とは
  2. 2.定期券代の支給から実費支給に切り替える企業側のメリットと注意点
  3. 3.通勤手当の実費支給額の計算方法
    1. 3.1.公共交通機関の場合
    2. 3.2.車やバイクの場合
    3. 3.3.自転車や徒歩出社の場合
  4. 4.通勤手当の課税・非課税について
    1. 4.1.公共交通機関の場合
    2. 4.2.車やバイクの場合
  5. 5.まとめ


通勤手当の実費支給とは

通勤手当の実費支給とは、従業員が通勤に使った費用を後日、個別で会社に請求してもらい、翌月の給与とともに従業員へ返還する支給方法のことです。

従来は入社時に申告された自宅と職場間の公共交通機関の定期券代を、実際の出社日数にかかわらず給与とともに支給する形式が一般的でした。現在では、新型コロナウイルスの影響でテレワークの従業員が増加し、出社した日数分の交通費を毎月申告してもらって支給する形式に切り替える企業が増えています。



定期券代の支給から実費支給に切り替える企業側のメリットと注意点

通勤手当を定期券代から実費額に切り替えると、従業員の出社日数が少ない場合に限り、企業の支出を抑えることができます。

たとえば池袋駅から新宿駅までの1ヶ月の定期券代5,280円を毎月支払っていたところを、出社した実際の日数分で支払う場合、往復料金が334円なので、出社日数が15日までであれば実費運賃のほうが経費削減になります。

出社日数によっては実費支給額が定期券代を上回り、かえって支出が増える可能性もあるので、事前のシミュレーションが必須です。



通勤手当の実費支給額の計算方法

ここからは、従業員の通勤手段別に、実費支給額の計算方法を紹介します。


公共交通機関の場合

従業員が公共交通機関を利用する場合は、まず自宅から勤務場所までの経済的かつ合理的なルートと片道の運賃を事前に申請してもらいます。その金額をもとに、“1日の金額(往復の運賃)×従業員が実際に出社した日数”を算出します。

たとえば、1日あたり往復400円で、出社日数が5日だった場合の実費支給額は“400円×5日=2,000円”です。このとき、出社日数の増減に合わせて支給額が変わる旨を従業員に伝えておくと、トラブルを防ぐことができます。


車やバイクの場合

通勤手段が車やバイクの場合は、ガソリン単価と燃費で計算する方法“片道の通勤距離×2×出社日数×ガソリン単価÷燃費”と、通勤距離で計算する方法“片道の通勤距離×2×距離単価×出社日数”があります。距離単価は“1kmあたり〇円”というように、企業がそれぞれ任意で定めます。


自転車や徒歩出社の場合

家が近くて自転車や徒歩で通勤する従業員への手当は、企業が任意で決めます。支給する場合は“片道〇km以上の場合に限る”といった条件を設け“片道の通勤距離× 2×距離単価×出社日数”で計算するケースが一般的です。



通勤手当の課税・非課税について

続いて、通勤手当の課税・非課税の条件についても紹介します。


公共交通機関の場合

通勤手当は基本的に非課税対象ですが、公共交通機関を利用している場合は、月15万円までと限度額が定められています。

通勤手当の課税・非課税のポイントは、合理的なルートであるかどうかです。たとえば10分で通えて250円かかるルートがあるのにもかかわらず、わざわざ30分かけて500円かかるルートを申請した場合は、合理的ではないため課税対象となる可能性があります。

また、グリーン車のような特別車両に乗った場合も経済的ではないため課税対象となります。


車やバイクの場合

通勤に車やバイクを使う場合も基本的に非課税対象ですが、公共交通機関と同じく限度額があり、距離によって金額は変わります。


▼車やバイクを利用している場合の通勤手当の非課税額を一部抜粋

区分
課税されない金額

自動車や自転車などの交通用具を

使用している人に支給する通勤手当

通勤距離が片道25km以上35km未満である場合

1万8,700円

通勤距離が片道10km以上15km未満である場合

7,100円

通勤距離が片道2km未満である場合

(全額課税)

国税庁『平成28年4月 通勤手当の非課税限度額の引上げについて』を基に作成


車やバイクの場合も、合理的なルートであることが非課税の対象となる条件です。公共交通機関を使えば200円で行けるところを、車で有料道路を使って通勤する場合は課税の対象になります。



まとめ

この記事では、通勤手当について以下の内容を解説しました。

  • 通勤手当の実費支給とは
  • 定期券代の支給から実費支給に切り替える企業側のメリットと注意点
  • 通勤手当の実費支給額の計算方法
  • 通勤手当の課税・非課税について

従業員の出社日数が減る場合は、通勤手当を定期券代の支給から実費支給に切り替えると企業側の支出が減ります。ただし、定期券の割引率を考慮しておかなければ、定期券代を支払ったほうが安上がりになるケースもあるため注意が必要です。

また、通勤手当は基本的に非課税対象ですが、通勤ルートが合理的である場合に限られます。従業員から申請されたルートをチェックして問題ないか確認してみてください。

なお、毎月の実費運賃の計算は定期券代の支給に比べると時間がかかります。「コア業務に集中できずに困る」「計算ソフトを導入したいものの初めてで不安」といったお悩みをお持ちの方には、通勤手当の自動計算が可能な『駅すぱあと 通勤費Web』をおすすめします。

乗換案内サービス『駅すぱあと』が開発したクラウドサービスで、住所から自動で割り出した合理的な経路の申請や、非課税限度額を超えていないかのチェック、実費支給額の算出などが可能です。
​​​​​​​

ご興味のある方は、こちらからお問い合わせください。

お問い合わせはこちら


『駅すぱあと 通勤費Web』の特徴や機能を解説した製品資料は、こちらからダウンロードいただけます。

資料ダウンロードはこちら​​​​​​​

pagetop