オフピーク定期券とは? 導入にあたって企業がすべきこと



新型コロナウイルスの拡大が収まりつつありますが、電車の利用において人混みを避けたいという意識はまだまだ残っています。そんななか、JR東日本が2023年3月18日より、“オフピーク定期券”の取扱いを開始しました。

オフピーク定期券を使った通勤を推奨する場合、従業員は平日朝のピーク時間帯を避けて通勤でき、企業としても通勤手当を削減できることになりますが、その実現のためにはさまざまな準備が必要です。

そこで本記事では、オフピーク定期券の概要と、導入にあたって企業が対応することを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.1.オフピーク定期券とは
  2. 2.2.ピークとされている時間帯
  3. 3.3.企業におけるオフピーク定期券を利用する従業員への対応
    1. 3.1.➀適用対象者の有無を確認する
    2. 3.2.②社内の運用ルールを整備する
    3. 3.3.③就業規則を変更する
  4. 4.4.オフピーク定期券が企業に与える影響
  5. 5.まとめ


1.オフピーク定期券とは

オフピーク定期券とは、平日朝のピーク時間帯以外のオフピーク時間帯のみに利用できる、割安な通勤定期券のことです。利用できる時間帯は限られているものの、そのぶん安く購入できる点が大きな特徴です。

オフピーク定期券を利用できる区間は、JR東日本が指定している特定区間の発着駅に絞られています。平日朝のピーク時間帯に入場してしまった場合、定期券として利用することができず、IC普通運賃が必要になる点には留意したいところです。

さらに、自宅から会社までの発着駅が適用範囲であったとしても、途中経路が適用区間外の場合はオフピーク定期券を購入することができません。

なお、オフピーク定期券は、JR東日本が提供しているため、現状はSuicaでのみ発売されています。通学定期券やグリーン定期券も、オフピーク定期券の対象外です。



2.ピークとされている時間帯

平日朝のピークとして定められている時間帯は、駅によって異なります。
オフピーク定期券の安さに惹かれて購入したものの、通勤時間がピーク時間帯と被ってしまうのは避けたいですよね。

以下に、ピーク時間帯の一例をまとめました。


▼駅によって異なるピーク時間帯

  • 大宮駅:6時45分~8時15分
  • 赤羽駅:7時05分~8時35分
  • 横浜駅:7時00分〜8時30分
  • 川崎駅:7時10分~8時40分


ピーク時間帯の判定は、改札への入場時に行われます。遅延の影響で、オフピーク時間帯から外れてしまったとしても、特別な措置はありません。乗り換えがない場合は気にする必要はありませんが、乗り換えを要する場合、遅延による影響を受ける可能性がある点を事前に押さえておく必要があります。



3.企業におけるオフピーク定期券を利用する従業員への対応

オフピーク定期券を利用する従業員が増えていくことが予想されるなかで、企業側も事前の準備が必要です。ここからは、企業側が対応すべき3つのポイントを紹介します。


➀適用対象者の有無を確認する

前述してきたように、オフピーク定期券は平日朝のピーク時間帯を避けることを目的とするものです。そのため、自社に所属しているすべての従業員が対象になるわけではありません。

従業員の働き方によって適用の有無が異なるため、部署間での連携をとりつつ、業務単位で検討する必要があります。社内に該当する従業員がいるのかどうかは、事前に洗い出ししておくことをおすすめします。


②社内の運用ルールを整備する

オフピーク定期券の導入では、社内の運用ルールも見直して、新たなルールを整備するのが一般的です。業務だけでなく、育児や通院などの家庭の事情も想定したうえで、時差通勤のパターンをあらかじめ設けておきます。

また、外回り営業の部署であれば、打ち合わせや業務の都合によってピーク時間帯の通勤が避けられない事案も考えられます。オフピーク定期券を所有していても、別途運賃がかかるケースがある点には要注意です。

そのような場合の精算方法をはじめとして、通勤手当の社内の運用ルールは明確に定めておく必要があります。


③就業規則を変更する

社内の運用ルールを整備したあとは、就業規則も変更しなければなりません。

オフピーク定期券の適用を承認する範囲や、オフピーク定期券を持ちながら止む無くピーク時間帯に出勤した場合の対応などを追加します。オフピーク定期券に関連して起こり得る事象を事前に規則として設けておけば、従業員との認識の相違も防げるはずです。



4.オフピーク定期券が企業に与える影響

オフピーク定期券を導入すると、企業としては通勤費の支給額を抑えることができ、また時差通勤で個々の通勤しやすさが向上するなど、働き方改革の推進につなげることもできます。ただし、通勤費の精算が煩雑になるおそれがあります。通勤費を支給する際に、オフピーク定期券に該当するのかどうかの判断が分かれるためです。

また、従業員から正しいルートで申請されているか、あるいは入場の時間帯によって変わる通勤費の金額の確認などに時間がかかるかもしれません。

オフピーク定期券の活用による煩雑化を防ぐためにも、通勤費管理システムの導入は、通勤費の精算を効率的に進めるのに有効な手です。通勤費管理システムでは、通勤経路の登録や通勤費の支給などの、経理業務を一元管理できます。



まとめ

この記事では、オフピーク定期券について以下を解説しました。

  • オフピーク定期券とは
  • ピークとされている時間帯
  • 企業におけるオフピーク定期券を利用する従業員への対応
  • オフピーク定期券が企業に与える影響

オフピーク定期券とは、平日朝のピーク時間帯以外に使える定期券のことです。使用できる駅や路線は限られていますが、通常の定期券と比べて割安で購入できるというメリットがあります。

オフピーク定期券を導入する場合、企業側は適用対象者の確認だけではなく、運用ルールや就業規則を一新しなければなりません。通勤手当業務の煩雑化を防ぐためにも、通勤費管理システムの導入を検討してみてください。

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