通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路とは? 支給時のチェックポイントも紹介

多くの企業において、通勤手当支給の根拠となる経路は、“最も経済的かつ合理的”という基準で決定されています。人事・総務担当者のなかには、「定義を知りたい」「最も経済的かつ合理的であるとどうやって判断するのか?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路の概要を、支給する際のチェックポイントとともに紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路とは
  2. 2.通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路の難しさ
  3. 3.通勤手当を支給する際のチェックポイント
    1. 3.1.①経済的かつ合理的な経路の申請が行われているか
    2. 3.2.②自宅現住所と勤務先の発着最寄り駅が合致しているか
    3. 3.3.③申請内容が実際の通勤経路と一致しているか
    4. 3.4.➃申請内容が実際の通勤手段と一致しているか
  4. 4.通勤手当の支給業務を正確に実施するには通勤手当管理ツールの利用がおすすめ
  5. 5.まとめ


通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路とは

通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路とは、費用が安く、かつ効率的“経済的” で無駄がないルートや方法のことです。

通勤にかかる費用をなるべく安く抑えることが、通勤手当におけるという言葉を意味します。対して、通勤手当における“合理的”は、通勤経路が効率的で無駄がないことを示します。



通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路の難しさ

経済的かつ合理的な経路を実現するには、経済的または合理的のどちらかだけを見て判断してはならないため、両方を満たすバランスが求められます。以下の3パターンの通勤経路がある場合、どの経路が経済的かつ合理的だと言えるのでしょうか。


▼公共交通機関を利用する通勤経路の例

  • 片道550円、30分かかるルート
  • 片道390円、60分かかるルート
  • 片道430円、40分かかるルート


この場合、1つめのルートは片道550円で金額は一番高いものの、所要時間としては30分で最速です。2つめのルートは片道390円で金額はもっとも安い一方で、所要時間が60分とかかりすぎています。総合的に見ると、3つめのルートは金額と所要時間ともに両者の中間であるため、経済的かつ合理的な経路だと判断できます。

ただし、通勤手当の非課税限度額は国税庁によって定められていますが、合理的の基準は曖昧であり、最終的には各企業の判断に委ねられている部分があるのが現状です。

通勤手当の課税ルールや非課税限度額については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
通勤手当の課税ルールや非課税限度額を注意点とともに解説



通勤手当を支給する際のチェックポイント

実際に通勤手当を支給する際は、どのような点を確認する必要があるのでしょうか。ここからは、通勤手当の支給時に見るべき4つのチェックポイントを解説していきます。


①経済的かつ合理的な経路の申請が行われているか

従業員が複数の経路で通勤可能な場合、申請された通勤経路が最も経済的かつ合理的な経路であるかを確認することは欠かせません。

経済性と合理性については、社内規程に明記したうえで、従業員に周知します。そうすることで、従業員からの問い合わせや、誤った通勤経路の申請の削減につながります。


②自宅現住所と勤務先の発着最寄り駅が合致しているか

通勤手当は、あくまでも通勤のために支給するものです。そのため、出発駅と到着駅は、従業員の自宅最寄り駅と勤務先の最寄り駅でなければなりません。

過去には、虚偽の住所を申告し差額を不正受給した従業員の懲戒解雇をめぐって、裁判に発展した例も少なからず存在します。

そのような事態とならないよう、人事・総務担当者は、申請された各住所と発着最寄り駅に不審な点がないか、入念に突合する必要があります。


③申請内容が実際の通勤経路と一致しているか

通勤手当は、実際の通勤経路に対しての支給が原則となります。そのため、申請内容と実際の通勤経路の整合性を図ることも必要です。

たとえば、引っ越しによって通勤経路が変わった場合、従業員に経路変更の申請をしてもらう必要があります。しかし、申請が漏れると、変更前の通勤経路のまま通勤手当が支給されてしまいます。

万が一通勤手当を多く受け取っていれば、不正受給になりかねません。


➃申請内容が実際の通勤手段と一致しているか

通勤経路だけでなく、実際の通勤手段と一致しているかどうかも確認する必要があります。

従業員が電車やバスなどの公共交通機関を利用する内容で申請しているにもかかわらず、実際には自転車や徒歩で通勤し、通勤手当を受け取っているとします。これは不正受給に該当するため、事実関係の調査を行わなければなりません。

毎日の通勤手段を実際に確認するのは簡単ではないかもしれませんが、従業員の申請内容と言動に不自然な点がないかを確かめてください。ICカードの利用履歴の提出を求めるのも一つの手段です。



通勤手当の支給業務を正確に実施するには通勤手当管理ツールの利用がおすすめ

通勤手当における経路の正当性の判断には、さまざまな確認が不可欠です。

最も経済的かつ合理的な経路を決定しているかどうかのチェックには手間がかかるうえ、従業員の引っ越しや運賃改定などがあれば見直しが必要になってきます。人事・総務担当者のリソースによっては、これらの作業が業務負担になるおそれがあります。

そのため、通勤手当を正確に算出し担当者の負担を減らすには、通勤手当管理システムの利用がおすすめです。そのなかでも、最新のデータを自動更新してくれるクラウド型の通勤手当管理システムであれば、現場の手間を最小限に抑えられます。



まとめ

この記事では、通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路について以下の内容を解説しました。

  • 通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路の概要
  • 通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路の難しさ
  • 通勤手当を支給する際のチェックポイント

通勤手当を考えるにあたって、経済的かつ合理的というのは、経済的または合理的のどちらかだけを見て判断してはならず、両方を満たすバランスが求められる難しさがあります。

実際に通勤手当を支給する際は、さまざまな点を確認したうえで、従業員の引っ越しや運賃改定などがあれば見直しも必要です。通勤手当に関わる業務を効率化させるには、最新のデータを自動更新してくれるクラウド型の通勤手当管理システムの利用をおすすめします。

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