人事/総務業務でなぜDX化が必要なのか? メリットや推進する際のポイントを解説

近年、日本国内の企業でDXの推進が重要視されはじめました。さまざまな分野で急速にデジタル化が進むなか、DX化は特に社をあげて取り組むべき課題だといえます。


本記事では『駅すぱあと 通勤費Web』を提供する株式会社ヴァル研究所が実施した、“人事/総務業務担当者のDX推進状況に関する実態調査”をもとに、人事/総務業務のDX化のメリットや推進する際のポイントを解説します。


参照元:駅すぱあと 通勤費Web『人事/総務業務担当者のDX推進状況に関する実態調査


目次[非表示]

  1. 1.DXとは
  2. 2.DX化の3つのメリット
    1. 2.1.①業務効率を改善できる
    2. 2.2.②働き方改革の促進につながる
    3. 2.3.③レガシーシステムの解消につながる
  3. 3.DX推進の2つのポイント
    1. 3.1.①DX推進のハードルを明確にする
    2. 3.2.②DX推進の対象業務を明確にする
  4. 4.まとめ


DXとは

DXは、デジタルトランスフォーメーションの略称であり、“デジタルへの変換”や“デジタル化”などとも訳されるものです。経済産業省では、“データやデジタル技術を使って、顧客目線で新たな価値を創出していくこと”と定義しています。


なお、“IT化”と混同されることも少なくありませんが、そこは以下のように区分されています。


▼DX化とIT化の違い

用語
定義
DX化

社会や組織、ビジネスの仕組みそのものを変革すること

IT化

既存の業務プロセスのまま、業務の効率化と生産性の向上を図ること


両者は示す範囲が異なり、IT化はDX化に向けた手段の一つでしかないということです。


なお先のアンケートでは、人事・総務業務担当者の業務へのシステム導入の実態調査を目的としているため、DX化の定義を“業務改善のためのシステム導入”としています。この調査結果から、約85%の企業がDX化に取り組んでいることがわかっています。


参照元:経済産業省『デジタルガバナンス・コード実践の手引き



DX化の3つのメリット

人事/総務業務のDXを推進することで、企業はどのような恩恵を享受できるのでしょうか。 具体的なメリットを見ていきます。


①業務効率を改善できる

業務をDX化することで、企業全体の生産性の向上が望めます。

実態調査で“通勤交通費手当業務のDX化によって得られたメリット”を伺ったところ、以下のような回答が得られました。



▼通勤交通費手当業務のDX化で得られたメリット(複数選択可)

得られたメリット

回答率

社内規定が統一化された

49.20%

社員とのやり取りに時間が割かれなくなった

54.28%

紙ベースの業務がなくなった

63.37%

ミス防止のチェックに時間を要さなくなった

43.32%

作業工程が簡略化し、効率化が図れた

42.51%

少ない人員で業務対応できるようになった

25.13%

その他
0.53%


デジタル技術を導入することで、紙を使用するアナログ業務から解放されます。また、ヒューマンエラーの発生も防げるため、より合理的な業務体制の実現が可能です。


このように、煩雑化していた業務の簡易化によって、業務負担の軽減や労働時間の短縮にもつながるわけです。特に、どの企業でも発生しえる“通勤交通費手当業務”は、優先してDX化すべき業務といえます。


②働き方改革の促進につながる

DX化により業務効率が改善されれば、業務時間や残業時間を削減しやすくなります。また、業種にはよりますが、業務のデジタル化を進めることでリモートワークを取り入れやすくなるのは間違いありません。


これらが実現できれば、より柔軟な働き方が可能になり、働き方改革の促進につながるわけです。短時間労働や在宅勤務など、自由度の高い働き方を企業が取り入れることで、従業員のモチベーションの向上や離職率の低下などが期待できます。


③レガシーシステムの解消につながる

DXの推進は、既存システムの刷新につながります。


既存システムを都度カスタマイズしながら使いつづけたことで、ブラックボックス化してしまった状態のものを“レガシーシステム”とよびます。日本企業のおよそ8割が、レガシーシステムを抱えているのが実情です。


レガシーシステムを保守・運用するとなると、多くの人員やコストを割かなければなりません。経済産業省では、2025年までにレガシーシステムを克服できなかった場合、年間12兆円もの経済損失が生じると算出しており、これを“2025年の崖問題”といいます。


各企業にはブラックボックス化した既存システムを、廃棄するものと、存続させるものに仕分けたうえで、刷新することが求められています。2025年の崖問題を解決するためにも、企業ごとのDXの推進は欠かせません。

参照元:経済産業省『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~



DX推進の2つのポイント

人事/総務業務のDXを推進するにあたって企業が押さえておくべきポイントを、実態調査の結果から明らかにしていきます。 DX化を図る際の参考にしてください。


①DX推進のハードルを明確にする

DX化ができていない理由を伺ったところ、以下のような結果になりました。


▼DX化ができていない理由を教えてください(複数選択可)

DX化ができていない理由

管理職

一般職

何から着手すればよいかわからない

50.7%

41.8%

DX化を進めるためのリソースがない

50.7%

30.9%

社内稟議がおりない(費用懸念)

28.2%

14.5%

社内理解がえられない

25.4%

18.2%

DX化したくない・必要性を感じていない

9.9%

23.6%

その他

7.0%

1.8%


管理職と一般職で認識の差が見られるものの、両者揃ってもっとも多い回答は「何から着手すればよいかわからない」でした。つまり、やるべきことさえ明確になれば、DX化を進められるともいえるわけです。


また、「DX化したくない・必要性を感じていない」の質問に対しては、管理職員と一般職員とで認識の違いが見受けられました。このような傾向のある会社であれば、一般職員に対してメリットを伝えるなど、理解を深める機会を設けることでDX化を進めやすくなるかもしれません。


以上のように、社内で何がDX化のハードルになっているのかを明らかにすれば、自ずと解決策が見えてくるはずです。



②DX推進の対象業務を明確にする

続いて、人事/総務業務のDXを推進するにあたって、どの業務をDX化すれば業務効率化につながるのかを伺いました。


▼DX推進する場合、どの業務をDX化すれば業務効率化につながると思いますか?(複数選択可)

DX化により効率化が望める業務

回答率

通勤交通費手当業務

58.5%

労務業務

58.5%

勤怠管理業務

52.8%

庶務業務

31.1%

契約書管理業務

28.3%

採用・人材育成業務

24.5%

ITシステム等インフラ管理

17.9%

その他

0.9%


上記の結果を見ると、“通勤交通費手当業務・労務業務・勤怠管理業務”の3つが半数以上を占めていることがわかります。


DXの推進に際して、どの業務から進めていくのか、優先順位を決めておくことが重要です。もし優先順位を決めかねているのであれば、多くの企業が業務の効率化が図れると考えている通勤交通費手当業務・労務業務・勤怠管理業務から着手してみてはいかがでしょうか。



まとめ

この記事では、実態調査の結果をもとに、人事/総務業務のDX化の必要性について以下の内容を解説しました。

​​​​​​​

  • DXとは
  • DX化の3つのメリット
  • DX推進の2つのポイント


DXの推進は、企業の業務改善や顧客への新たな価値を創出するにあたって、避けては通れない課題です。急速な市場の変化に対応するためにも、各企業は率先して取り組む必要があります。


『駅すぱあと 通勤費Web』は、単なるIT化にとどまらず、通勤手当に関する業務全般をDX化できるパッケージサービスです。自社におけるDX化に課題を感じている企業でも、伴走型サポートによりスムーズな導入が可能です。


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