アルバイトにも通勤手当は必要? 通勤手当の管理方法も解説



アルバイトが入社し従業員が増えれば、通勤手当の計算や管理により多くの時間を要する可能性があります。人事・総務担当者のなかには「そもそもアルバイトにも通勤手当を支給したほうがよいのか」「通勤手当をより効率的に管理したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、アルバイトに通勤手当を支給する必要性の有無について、通勤手当の管理方法とともに解説します。


目次[非表示]

  1. 1.アルバイトへの通勤手当の支給は必要?
  2. 2.通勤手当を支給する対象者や条件
  3. 3.アルバイトの通勤手当の支払い方法
  4. 4.アルバイトの通勤手当に対する非課税限度額
  5. 5.アルバイトの通勤手当を管理する際のポイント
    1. 5.1.①エクセルを利用する場合
    2. 5.2.②通勤費管理システムを利用する場合
  6. 6.まとめ


アルバイトへの通勤手当の支給は必要?

アルバイトに通勤手当を支給するかどうかは、企業ごとに異なります。雇用形態に関わらず、通勤手当の有無や条件は、企業が自由にルールを決められるからです。

しかし、雇用形態が異なるだけで、不合理な待遇差を設けるのは違法です。そのため、正社員に通勤手当を支給するのであれば、アルバイトにも支給しなければなりません。

なお、厚生労働省の『令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概要』では、6割以上の企業がアルバイトにも交通費を支給しているという結果が出ています。以下の表には、その具体的な割合をまとめました。


▼パートやアルバイトに通勤手当を支給している企業の割合

雇用形

割合

無期雇用パートタイム

60.7%

有期雇用パートタイム

73.3%

有期雇用フルタイム

78.1%

厚生労働省『令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概要』を基に作成


アルバイトに通勤手当を支給するかどうかを決める際に、参考にしてみてください。



通勤手当を支給する対象者や条件

通勤手当を支給するうえで、企業は通勤手当を支給する対象者や条件を決定する必要があります。

はじめに、通勤手当を支給する交通手段の範囲を決め、対象者を選定します。その際は、会社の立地に応じて、車やバイクでの通勤を認めるなど、通勤に負担がかからない手段を許可するのが一般的です。

アルバイトの通勤手当の支給条件は、“勤務日数”であることがほとんどです。アルバイトは、必ずしも毎日勤務しているとは限らないため、定期代ではなく一日あたりの交通費を勤務日数分、支給します。正社員には定期代を支給している場合でも、このような勤務日数の違いによる待遇差は、合理的な理由として認められます。これは、厚生労働省の『同一労働同一賃金ガイドライン』で定められていますから、一度目を通しておくとよいかもしれません。



アルバイトの通勤手当の支払い方法

アルバイトの通勤手当には、3つの支払い方法があります。その方法と、それぞれの特徴に関しては、以下の表をご覧ください。

▼アルバイトの通勤手当の支給形態

支払い方法

特徴

全額支給

・自宅から勤務先までにかかる通勤費を、企業がすべて支給する
・遠方に住んでいる従業員に対しては、支払う金額が大きいため、企業側の支払いがかさむ

一律支給

・実際の通勤交通費に関係なく、すべての従業員に一律の金額を支給する
・日または、月単位で交通費を支給する

・従業員ごとに通勤交通費を計算しなくてよい

一部支給

・通勤交通費に上限を設け、その範囲内で金額を支給する
・上限金額を超えた通勤交通費に関しては、支払わない


基本的に、通勤手当の支給対象者は、通勤に電車やバス、車を使用する方です。なお、アルバイトには学生も含まれるため、勤務地が電車やバスの定期区間内にあることもあり得ます。定期区間内の交通費を支払うかどうかを事前に決めておくと、通勤手当の支給に際し、スムーズに対応できます。



アルバイトの通勤手当に対する非課税限度額

アルバイトに通勤手当を支給する際は、非課税限度額を考慮することが重要です。

通勤手当における非課税限度額は、通勤手段によって課税対象が異なります。例えば、公共交通機関では、月15万円までが非課税、車やバイクなら、片道の通勤距離に応じて非課税限度額が変化します。さらに、公共交通機関と車を併用する場合は、“1ヶ月あたりの電車・バス代と車の片道の通勤距離にかかる費用の合計が15万円以内”であることが、非課税の条件です。

また、アルバイトは年収103万円以上で、所得税がかかります。なかには、通勤手当を受け取ると年収103万円を超えるため、通勤手当を受け取らないという方もいるかもしれません。通勤手当を支給するのであれば、アルバイトにも通勤手当の非課税限度額について説明し、理解してもらうことが大切です。

以下の記事では、車の非課税限度額について詳しく解説しています。
通勤手当の計算方法とは? 自動計算におすすめの方法も紹介



アルバイトの通勤手当を管理する際のポイント

アルバイトの通勤手当の管理は、エクセルや通勤費管理システムを利用するのがおすすめです。管理の際は、いずれも社内で統一したものを利用することが重要です。

ここからは、エクセルや通勤費管理システムを利用して、通勤手当を管理する際のポイントをそれぞれ紹介していきます。


①エクセルを利用する場合

エクセルの場合は、通勤手当の管理に必要な項目がすべて記載されている、テンプレートを活用すると便利です。テンプレートなら、社内で一からシートを作成するよりもミスが起こりにくいほか、自社で使いやすい仕様に編集することも可能です。

ただしエクセルでは、データの入力時にミスが起きたり、計算機能に不具合が生じたりする可能性があります。そのため、複数人でチェックするほか、定期的にバックアップを取り、万が一に備えた対策が不可欠です。

以下の記事では、通勤手当をエクセルで管理する方法と注意点を紹介しています。
通勤費をエクセルで管理することはできる? その方法と注意点を解説


②通勤費管理システムを利用する場合

通勤費管理システムを利用する際のポイントは、通勤手当に関する社内ルールを具体的に決めておくことです。システムを導入したら、まずは社内の通勤規定に沿って、申請内容の判断や処理方法を設定する必要があるためです。

また、アルバイトが入社して従業員が増えると、支給漏れや確認ミスの発生も考えられます。そのようなとき、エクセルよりも手軽なシステム管理なら、ミスやトラブルを防ぎ、効率的に通勤手当の管理が行えます。さらに、“最も経済的かつ合理的なルート”での経路検索のほか、通勤時間や交通費を算出できるため、従業員一人ひとりに最適な通勤手当の支給が可能です。

以下の記事では、“最も経済的かつ合理的なルート”について詳しく解説しています。
通勤手当における最も経済的かつ合理的な経路とは? 支給時のチェックポイントも紹介



まとめ

この記事では、アルバイトの通勤手当について以下の内容を解説しました。


  • アルバイトに通勤手当を支給する必要性の有無や条件
  • アルバイトの通勤手当の支払い方法と非課税限度額
  • 通勤手当を管理する際のポイント


アルバイトへの通勤手当は、企業の通勤規定に沿って、正社員との不合理な待遇差とならないよう、留意することが大切です。

通勤手当を管理する際は、社内で統一したエクセルや通勤費管理システムを利用するのがおすすめです。これらを利用すると、アルバイトをはじめとする従業員の通勤手当の計算や管理を効率的に行えます。

そこで、通勤手当をシステムで管理できる『駅すぱあと 通勤費Web』を利用すれば、アルバイトの勤怠日数を取り込むことで、毎月、正確な金額での支給が可能です。通勤経路の妥当性も判断でき、人事・総務担当者の負担を軽減できます。


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